
街中で表面に派手なロゴやイラストなどが描かれていたり、広告が掲載されていたりする車両に出くわすことがあります。あのように表面にあらかじめデザインが印刷されたフィルムを貼り付けた車をラッピングカーといいます。従来、路線バスなど車体の限られた面積に広告などを掲載している車はよく見られましたが、ラッピングカーはそれが発展したものといえます。車体の一部ではなく、ほぼ全体を包み込むようにデザインされたものを貼り付けていることから、その名がつきました。
ラッピングカーのメリットは車を自由度の高いデザインでカラーリングできるということです。通常のカラーはもちろん、複雑なロゴや写真、文字が多めの情報などもあらかじめフィルムに印刷して貼り付けるだけなので、個人でもマイカーを自由にアレンジできます。個人商店など広告や宣伝に多額の予算を使えない企業が、効率よく手軽に自社を宣伝できる手段としても人気があります。塗装と違って剥がせば元に戻せて、新たにフィルムを貼れば別のデザインにできるところも便利で、ベンチャー企業など広告の内容の変化が早い会社などでは重宝します。
反対にデメリットとしては、通常の塗装より費用が高くなるという点です。単純にフィルムを貼っているだけという印象がありますが、車両の形に合わせて印刷データを作成し、ドアなどの開閉部に合わせてカットしたり通風用の穴などを塞がないように切り取ったりするなど専門的な技術が必要です。綺麗にラッピングするためには専門の会社に依頼することになり、費用が発生します。また、短期間でラッピングする内容を変える場合は良いのですが、長期間そのままにするとなると耐久性の問題が出てきます。
通常、車両に施す塗装は適切なメンテナンスをすれば10年以上はもちますが、貼り付けたフィルムの耐用年数の目安は3年程度です。恒久的なデザインにする場合は貼り替えが必要な分、割高になります。
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